どうも、ベテラン塾講師のPENです。
このブログは、塾講師、家庭教師、教職課程の学生のために、私が塾で培ってきたノウハウを共有するために作りました。

今回は、授業の際に忘れがちな「常識の共有」についてです。
常識の共有の例
ゲームやスポーツを考える
授業の際には、生徒と講師の間での「常識の共有」が欠かせません。
「常識の共有」とはどういうことでしょうか。
ここでいう常識とは、当たり前に、大前提として私たちが使っている知識のことです。
イメージしやすいように、まずは教育現場ではないシーンでの常識を紹介します。
ぷよぷよの常識
「ぷよぷよ」というゲームをご存知でしょうか。
これは有名なパズルゲームの一つです。
同じ色の「ぷよ」を4つつなげると、つなげた「ぷよ」が消えます。
このとき、対戦相手には「おじゃまぷよ」というものが送られて、ぷよを消すのをジャマすることができます。
うまくぷよを消せずに、画面いっぱいにぷよが溜まってしまうと、ゲームオーバーです。
上に書いたのは、ぷよぷよのかんたんなルール説明です。
これが「常識」にあたります。
この常識を教えられる前に、「必勝法」だとか、「大連鎖の組み方」なんてことを教えられても困りますよね。
そう、まずは何事も、常識の共有が必要です。
これらの「常識」を一度考えてみてください
ぷよぷよを例に説明しましたが、いくらでも例は考えることができます。
たとえば、以下のものの「常識」を生徒に説明するつもりで考えてみてください。
・テトリス
・テニス
・バスケットボール
いざ考えてみると、私たちがいかに常識をふまえて物事を見ているかがわかります。

常識を共有される前にテクニックやらを教えられても、困惑するだけですよね。
講師と生徒で、常識を共有する
常識=生徒の疑問の原因の一つ
単元や問題の解説をする上で、「常識の共有」を忘れてはいけません。
数学的な常識であったり、英語的な常識であったり、それぞれの科目や単元ごとに常識が存在します。
われわれ講師はその常識ありきで考えていますが、生徒はその常識がない状態だと認識しておきましょう。

これって何したらいいん?

問題の言ってる意味がわかりません
これらの疑問はたいてい、常識がまだ定着していないことから起こる質問です。
どこまで常識を知っているか確認する
さきの例のように、テクニックを教えるのは必ず常識の後にします。
まずはしっかりと常識を浸透させ、講師と生徒が同じように「当たり前」を共有できるようになることを目指します。
そのためには、生徒が何を知っていて、何を知らないのかを把握する必要があります。

単元ごとに、生徒がどこまで常識を知っているか確認します。
授業における常識の例
記号や文字の意味
実際に授業で共有すべき常識について考えてみましょう。
一番わかりやすいのは、文字や記号の意味です。
例えば数学や物理で「θ」と見たら、講師は「角度のことだな」とわかります。
他にも、文字の置き方で「n」を使ったら、講師は「自然数だな」と想像がつきます。
しかしこれらは、中学生にはあらかじめ説明しておかないとわからないですよね。
高校生だからといって、この常識がしっかりと身についているとは限りません。
必ず確認してから使うようにしていきます。
用語
用語も、代表的な常識ですね。
不定詞の副詞的用法や関係副詞の説明をしていても、そもそも「副詞」が理解できていないと意味がありません。
逆に「複合関係詞」「再帰代名詞」「叙述用法」など、共有すべきかどうか、生徒によって判断が必要なものもあります。
マイナーなものは、あえて用語を登場させないというのも手です。
答えの形、そもそも何をする単元なのか
単元の名前から、何を扱って何を求める問題なのか、わかりやすいものとそうでないものがあります。
確率の単元であれば、確率を求めるんだな、と生徒も自然に理解することができます。
しかし、「軌跡」という単元名だけでは、何をする単元なのかイメージがつきにくいです。
次のような一言があるかどうかで、単元に対する抵抗や苦手意識が大きく変わってきます。

「軌跡」は、点が通るグラフの形を求めて、その関数の式で答える単元だよ。
よくある質問

先生、f(x)って何?
高校一年生から一番聞かれるのが、f(x)とはそもそもどういう意味なのか、です。
概念として関数がどういうものなのか、そしてそれをどのように表記するのか。
これらは数学講師であれば必ず説明できるようにしておくべきです。
中高一貫校であれば、中学生からも同じ質問がきたりします。
いざ質問されても戸惑わずに済むよう、さまざまな常識について予習してみてください。
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