どうも、ベテラン塾講師のPENです。
このブログは、塾講師、家庭教師、教職課程の学生のために、私が塾で培ってきたノウハウを共有するために作りました。

今回は、対数の解説のポイントについて紹介したいと思います。
対数の解説の目標
生徒が習得すべき3つのこと
まずは、対数の解説を考える前に、生徒がどのような状態になるべきなのかを確認しておきます。
・大きな数の桁を求められる
・対数関数・方程式が解ける
最低限として、これくらいは授業の後に達成していてほしいですよね。
この目標を達成できるように、授業を組み立てていくことになります。
新しい記号は、導入が重要
logという新しい記号が登場する単元なので、他の単元に比べてずっと丁寧な導入が必要です。
なぜlogという記号を導入する必要があるのか。
これを使って何ができるのか。
そういった、単元以前の感覚を掴んでもらえる授業にする必要があります。

中学数学の√の解説をイメージするといいかもしれません。
対数の解説のポイント
導入で、用語や定義にあまりこだわらない
まずは生徒に、logという概念に徹底的に慣れてもらう必要があります。
logを登場させると、底だとか、真数だとか、真数条件だとか、そういう用語や定義の話をしたくなるかもしれません。
しかし、logという概念や感覚には、それらの用語は不要。
まずは徹底的に、logというものがどういうものなのか、掴んでもらいます。
計算法則は数字で紹介する
対数の計算法則は、そもそも記号がアルファベットなこともあって、読みにくいです。
そのため、文字ではなく具体的な数で紹介するようにします。
また証明も可能ではありますが、最初からグダグダと数式を登場させると難しそうな印象を植え付けてしまうため、できるだけ避けるようにします。

難しそう、と思われたら終わりです。
常用対数は早めに登場させる
対数のキホンというと、底を2や3にばかりしがちです。
しかし、実際に用いる対数の基本というと、常用対数になります。
なので、早めに底が10の対数は登場させておくといいです。
教科書では後半の単元になっていますが、序盤で登場させてもなんの問題もありません。
√2や√3の値が早めに登場するのと同様に、log2やlog3の値にも慣れてもらいましょう。

対数関数や対数方程式は、その後でも遅くないはずです。
以上が対数の解説のポイントです。
・文字を使わない
・常用対数を具体例として登場させる
授業の進め方の例
①対数とは?logとは?
まずはlogという概念の紹介です。
序盤の禁止ワードとして、真数条件などの用語があります。
新しい概念の紹介の中で用語まで覚える必要がありません。
まずは徹底的にlogの概念に集中させます。

そういう用語はそのうち嫌でも身につきます。
対数の計算法則なども、すぐには導入しない方がいいでしょう。
それよりも、真数が分数だったり1だったり、そういう指数との絡みを楽しみ尽くします。
・指数の拡張と絡めた数字にする
・真数が負にならないことに気づかせたい
②logの計算法則
オススメは、まず最初にlogそのものの変形を教えることです。
足し算や引き算の前に、変形のパターンを習得してもらいます。
真数がべき乗になっているものや、底の変換公式を紹介します。

√どうしのかけ算より先に、√27の変形をやるイメージです。
その後、足し算や引き算を教えて、しっかりと計算力を付けてもらいます。
足し算や引き算をする際には底が揃っている必要があることを強調し、揃っていないときには変形するよう指導します。
計算結果の真数が1や分数になるパターンを、忘れずに盛り込んでおきたいところです。
ここまでで対数の基本が終わりです。

まだ方程式や不等式など、変数を出していないのがミソです。
③常用対数
対数の性質に慣れたら、さっそく実践で使ってもらいます。
その題材に、常用対数を使います。
底が10の対数をしっかり使う中で、logの必要性を感じ取ってもらいます。
化学や物理などで有効数字の概念は習っているので、表記そのものには抵抗が少ないはずです。
ここで、大きな数の桁を求められるようにしておくと、テストでもつまずきにくくなります。
④対数関数、方程式、不等式
常用対数が終わったら、方程式や関数の問題にしていきます。

ここで初めて変数を登場させます。
解説というよりは演習がメインになるので、更にここで計算力が磨かれていくイメージです。
グラフそのものが必要なのは定期テストくらいなので、あまり深追いする必要はありません。
解説してみました。
実際に生徒向けにZOOMで解説したものを、録画してyoutubeにアップしました。
参考までにごらんください。
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